【YZF R1】
YAMAHAの最強マシンYZF R1登場。
まだ慣らし途中、バリバリの新車状態で当方に持ち込まれた怪物君です。
ん~なになに、1000ccで車重が172kg、ほぉ~。そんで馬力は、んっ?172ps~!!!
パワーウェイトレシオが1kg/PSって。。。F1?
とんでもないスペックです
フルパワー仕様なのでこのままで300km出るそうです。。。。。
ふぅ~。時代はここまで来ているんですか。
プッシュロッドのOHVに乗っている自分には、信じられない音がエンジンから聞こえてきます。
ホント、速そう。
今回のオーダーは色替えとストロボグラフィックのペイントそれとロゴペイントです。
下地が必要なパーツはそれぞれに合った処理をしておきます。
エンボスの樹脂パーツを塗装する場合は他のパーツとの質感をそろえる為に
下地の段階でツルツルにしてしまいます。密着性をよくするプライマーも忘れずに。
今回は遠方からの作業以来で打ち合わせは主にメールか電話で行い、
塗装色は実際にウチで塗ったテストピースを郵送しました。
直接お会いする機会が少なくても、出来る限りイメージのすり合わせを行います。
今のカウリングってこんなにも柔らかいのです。薄くて柔らかい=軽くて壊れにくい!
ん~なるほど、ここにも乾燥重量172kgの秘密があるわけです。
ただ、これだけ柔らかいと塗装の方が割れないか心配なので、
塗膜に柔軟性を持たせる添加剤を塗料に混ぜます。
十分乾燥させたら仮組み。
カウルを外した姿は何かアンドロイドとかロボットみたいです。
子供の頃日曜日の朝にやっていたTVマンガに、乗っていたバイクが変形して
ライダーがバトルロボみたいになる番組(タイトル不明)がありましたが、
この姿を見ていつか現実になる気がしてきました。
テクノロジー最高!
キモのストロボペイントは頭をフル回転させてイメージが出来上がってから作業に入ります。
これがダサかったら話になりません、かっこいいストロボラインの夢を見るまでひたすら考えます。
ひたすら想像、ぃゃ妄想(韻?)
ラインが決まったらマスキング。
こういった仕事はマスキングミスが命取りになるので、
専用のテープ等を使いこれでもかとしっかりマスキングします。
そして加熱乾燥。
【乾燥について】
現代の自補修塗料は下地のパテから上塗りのクリアーまでほぼ2液硬化型の製品になります。
これは主剤と硬化剤を混ぜ合わせた反応によって硬化する塗料で、従来の溶剤が抜けて乾燥するモノや空気中の水分と
反応して硬化する塗料よりも高品質な仕上がりが可能な材料です。この2液製品は通常熱を加えて加熱乾燥させる
事が前提の商品ですが、薬品反応によって硬化が促進されるので熱を加えなくても時間が経てばある程度硬化乾燥します。
が!本来熱を加えて乾燥させる材料はそれ様に作られている訳ですし、塗料は極力乾燥させた方が後々のトラブル予防にも
つながるので、当方の乾燥工程は温度/時間管理ともに塗料メーカーの指定より更にシビアに行っています。
また、加熱乾燥と焼付け塗装を勘違いされる方もいますが、このふたつは全くの別物です。
焼付けとはメラミン等の粉末を電着させ120℃以上の高温窯で焼付けて塗膜にする塗装方法です。
加熱乾燥はウレタン等の2液型塗料を70℃前後の熱を加えて反応乾燥させる事で、より強力な塗膜に仕上げる工法です。
手間の掛かるマスキング&ペイントを終えグラフィックが入ったところ。
この後さらにクリアーコートします。
すべての塗装作業を終え組み付けに入ります。
パーツ点数の多い車両は取り外しの時ダンボールにネジやクリップを
刺してパーツ名を書き込んでおけば組み付けの時に色々悩まずに済みます。
そして完成!
3コートのイエローパールにストロボライン、う~んスポーティです。
ルーフのイエローバードを彷彿させます。
超スピードバイク、ターンパイクも安全運転でどうぞ!(無理?)
R1のロゴはエンボス/ハイライトでペイント。